園舎における省エネやエコって何?

10/4の日本経済新聞の一面に『太陽光や風力と言った再生可能エネルギーの普及で環境先進国では無くなってきている』いう記事がありました。

 

こうした数値や記事が出ると、公共施設を中心に直ぐに『それ、太陽光発電装置を積極的導入しろ』と号令が掛かります。

 

そしてそれを受けて、私達が関わる幼稚園や保育園と言った施設にも積極的に導入しようとする動きが出ます。

 

今は減りましたが、少し前は、そうした発電設備導入に結構な補助金が出たりもしていました。

 

最近、打合せでこんな話がありました。

『ウチの園舎にも、対外的なアピールとして目で動きの分かる風力発電装置を少しでも良いから入れたい』

 

良くある話ですが、私は疑問を感じます。

 

何故なら、幼稚園や保育園と言った施設で導入出来る発電装置には規模の限界があります。

大した規模を入れられない割に、初期費用がなかなかの高額です。

この初期費用が高い事については、同記事に書かれていましたが、固定価格買取制度によって、利回りが良くなる事から日本国内の価格が海外よりも高くなってしまうと言う事が起きているのです。

 

またこうした設備を製造するのにだって、工場稼働をして沢山の二酸化炭素を排出したりしています。

 

子供達にエコ意識を教育する事は良い事です。

しかし、それであれば園舎において出来る事はもっと違う方法があります。

 

例えば、しっかりと開口部の位置と大きさ、開き方をデザインする事で通風採光に優れた園舎を作る事が出来ます。

通風が良ければ、一年の中で暑い時期にエアコンに頼らなくても過ごせる日を減らせます。

採光が良ければ、日中は照明器具を点灯しなくても過ごせる日が増やせます。

冬場に日当たりを良くする工夫が出来れば、寒い時期の暖房器具使用を減らせます。

 

窓の位置や大きさ、開け方のデザインだけで、こうした事を起こせるなら十分なエコじゃないでしょうか。

そして、それこそが新築の建築を設計担当する設計者や事業主が極端なコストをかけずに取り組める事じゃないでしょうか。

そして、そうした事を子供達に楽しく教える事で、生活の知恵も付くのではないでしょうか。

 

 

実際に、過去にのプロジェクトではオーナーがそうしたコンセプトに強い理解を示してくれた事で、実現させた事例では改築前と改築後の水光熱費が50%も削減された事例もあります。

 

この考え方、日本人が昔から持っていたものです。

昔は、そんな優れた家電製品や工業製品なんか無かったんですから。

 

それが時代が進化すると同時に、派手な高機能商品が生まれ、消費を促された結果、様々な工場が稼働し、二酸化炭素排出が増えて地球温暖化の一因を作っただけです。

 

だから、もう一度、私達が原体験として持っている知恵や知識を活かせば良いのでは無いかと思うのです。

 

もちろん、極端な都市部と地方の田園風景では出来る事が違います。

だからこそ、出来る所では存分にやって欲しいのです。

 

そしたら、きっと子供達は気持ちの良い環境で毎日を過ごせることに繋がるのでは無いかと信じています。

その土地を知り、気候を知った上で、建築の工夫をして、快適に過ごす。

 


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