書籍『子どものための建築と空間展』
1/12の記事で、汐留の『パナソニック汐留ミュージアム』にて『子どものための建築と空間展』が開催されている事は書きましたが、展示会連動で書籍『子どもたちのための建築と空間展』が刊行されています。
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書籍監修は、展示会監修もされている長澤悟先生。
この本、教育建築や教育環境について興味のある方は必読のクオリティです。
何しろ、日本の教育環境に関する歴史と系譜が分かりやすく写真と文章でまとめられているのです。
私が学生時代や若かりしき頃に、必死に学んだり、見に行った当時注目された学校建築も沢山掲載されています。
もう懐かしくて感動してしまいます。
そして、そんな豪華な掲載リストの中に私達が担当させて頂いた『阿久根めぐみこども園』も肩を並べて掲載されているのですから更に感動です。
そして、この本には私の幼少期を思い出させてくれるこんな昔の公園遊具も。
この写真は都内の公園に置かれた物ですが、この遊具は私の住んでいた藤沢市の湘南台公園にもありました。
そして、毎日のようにこれを使って友達と鬼ごっこをしました。
見てわかる通り、コンクリートを研ぎ出されて作られた物ですから、滑り台の部分はとても良く滑ります。
鬼ごっこで逃げ回るのですから、当然滑るのではなくて、走り回るのですが、最初の頃は滑って後頭部を強打を良くしました。
しかし、次第に身体のバランスも覚えて自由自在に走り回れる様になった事も覚えています。
私がレクチャーで話す事の一つに、山梨大学の中村和彦先生の研究『幼少期には36の身体の動きを身につけるべき』と言う事を話します。
そして、それは特定のスポーツをするだけでは身に付かず、『遊び』を増やす事で成しえるものであり、だから子供達には『遊び』が増える様な環境を創る事が大切であると伝えています。
私の幼少期は、当時も任天堂やセガと言ったビデオゲームは流行っていましたが、やはりこうした公園で身体を使って良く遊ぶことが中心でした。
そして知らないうちに多様な身体の動きを身に着けていけた事、結果として怪我が少なかったり、健康な身体を獲得していった事を今になって分かるのです。
今の時代、コンピューターを使った様々な遊ぶものが沢山あり、それを子供達に触れさせる事の大切さも分かります。
しかし、幼少期に体得しておくべき事の一つに身体の動きがあり、それはスポーツクラスの通わせれば解決する事では無い事も理解して欲しいのです。
そして、遊びを増やすというテーマを解決するには、幼稚園や保育園の環境整備はもちろんですが、それだけ解決出来る訳は無く、大切な事は大人が意識を変える事なのです。
子供達がもっと自由に遊べる場所を提供する事であったり、遊ぶ事に口を出し過ぎない事であったり、自治体は公園をもっと制限なく開放すべきであったり。
ルールばかり作ったり、マナーを子供達に押し付けすぎてたりと今の時代は少し子供達にとっては息苦しい環境が多すぎます。
だから、大人が意識を変える事で、子供達はもっと自由に頭と身体を使いドンドンと成長出来るはずですし、この記事を読んでいる
大人達はそうして育ってきたはずです。
昔を思い起こすためにも、是非この本を手に取ってみてください。
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