子供達は本当にカラフルな色が好き?

『子どもはカラフルな色が好きなのか?』と言う面白い議論がありました。

 

私達は、園舎に派手な色彩を使いません。

園舎にあるとしたら、天然の色です。

例えば、木材の色。

木材には様々な樹種がありますが、樹種によって様々な色があります。

 

 

他にも、金属だって色はあります。

金や銀はもちろんですが、錫や鉄、銅も色は違います。

そして、これらは変化もしたりします。

 

ガラスも美術館で美術品を収蔵するケースに使う様なガラスは特殊な加工をしている為に限りなく透明ですが、普通のガラスは実は薄い緑色をしています。

実際にガラスを何枚か重ねてみると、ドンドンと緑色が濃くなっていくのが分かるはずです。

 

水だってそうです。

不純物が無い真水なら無色透明ですが、湖や川、海には沢山の微生物や不純物が入る事から色があります。

 

 

 

石や土も色がありますし、樹木も葉も、花もそれぞれが色を持っています。

 

こうして自然の物には十分な色がありますし、自然界はそんな感じで調和していると思っています。

 

 

しかしながら、世の中の幼稚園では人工的なカラフル色彩で満たしてしまう事が良くあります。

そして大人達は『子供達はカラフルが好きだから』と言う理由を言うのです。

 

 

 

さて、子供達は本当にカラフルな物が好きなのでしょうか。

 

実は私達は子供達がカラフルな色に対してリアクションをするのは、大人が植え付けた感覚だと定義しています。

 

まず新生児は、目がほとんど見えておらず視野も狭く、焦点が合うのも特定の狭い範囲だけです。

黒、白、灰と言った無彩色だけ認識可能と言われており、それも他よりも薄いとか濃いということがぼんやり認識できる程度です。

 

生後2ヶ月〜3ヶ月頃は、人や物の輪郭が薄っすらと捉えられる様になり、動いている物を目で追う能力も機能し始めます。

色覚も発達し、赤が認識できるようになり、追って黄や緑などを認識できるようになっていきます。

この段階で黄と緑、黄と赤を区別できる赤ちゃんが出てきます。

 

生後4ヶ月頃は、物の奥行きを認識出来る様になり、橙、紫、青など認識できる色が増えていきます。

生後6ヶ月頃には視力が0.1くらいになり、視野も広くなるため、近くの人や物なら認識が出来て、色も認識、区別できるようになります。

 

赤ちゃんは、暖色のパステルカラー系を好むと思われていますが、実は認識しやすい色は原色系の強い色で、パステルカラーなど淡くて薄い色は認識しにくいことが分かっています。

 

ここで分かる事は、新生児から成長していく過程で識別しやすい色がある事は確かです。

 

しかし、識別しても子供の感情が動いている訳ではありません。

 

この頃の子供にはハッキリとした価値観が無い事から、笑顔になるのは大人が『可愛いねー』と言う感じで微笑んだり、喜んでいる時なのです。

すなわち、大人が示してくれた価値観を少しずつ覚えていき、同調を始めて行く訳です。

 

そしたて、そうした環境で育った子供達は気づかないうちにカラフルな色に対して『可愛い』とリアクションをしてしまう様になる訳です。

 

 

色使いに関しては、好き嫌いの話になるので『絶対』はありません。

 

でも、ここで述べた様に私は子供達の為にカラフルな色を大人が押し付けて使う必要は無いと言っているだけです。

むしろ、それならば白い壁の幼稚園にして、子供達が自由に色を付けれると言うコンセプトの方が子供達の為と言えます。

 

だから、

 

『子供達はカラフルな色が好き』

 ↓

『幼稚園はカラフルにすべき』

 

と言う議論は大人が主体の議論であり、子供が主体の幼稚園だと言うならば

 

『子供達はカラフルな色が好き』

『幼稚園はシンプルに作って子供達が色を付けれる様にすべき』

 

が正解だと思っているのです。

 

 

カラフルな環境の代表例は遊園地があります。

その遊園地は子供達が色を付ける余白は全く無くて、作られた完璧な環境で楽しむ為の場所です。

しかし、幼稚園は遊園地の様に楽しむだけの場所ではなくて、学びと成長の場です。

だから、子供達は自ら何かを創造して生み出す場所です。

カラフルな絵を描くのも良し、カラフルな服を着るのも良し、そうして自らが色のある世界を演出出来る白い画用紙の様な場所であるべきなのです。

 

そして、それこそが幼稚園に私達が沢山の色を使わない理由です。

 


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